内科,消化器科
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治療について

 

消炎剤の連用による胃腸障害について

 近年、整形外科や内科領域で消炎鎮痛剤を連用している人が多くなりました。
これによる、胃腸障害が問題になっています。胃腸の潰瘍は連用者の1~2割に発生します。
 
① 一般の消炎鎮痛剤

胃の場合は、無症状が多く症状があらわれるのはかなり障害が進んだときです。
内視鏡でみますと他のピロリ菌などによる潰瘍と異なる特徴があるので、それとわかります。
原因となる薬剤は多岐にわたり、頻度の差はあっても大概のもので生じると思ってください。
また、貼付剤も大量に使った場合は安心できません。
小腸の場合は、さらに無症状が多いとされており連用者の半数に生じたという成績もあるほどです。なお、小腸では胃で有効な制酸剤による治療が無効です。

② 低用量アスピリン

一般の消炎剤よりリスクが高いとされ、注意を要します。
胃では、全潰瘍の9%にものぼり、出血しやすいのが特徴です。また、潰瘍がなくても細かい傷跡や小出血がよくみられます。また、大腸では憩室(腸壁のくぼみ)がある人に突然の多量の出血がおきてしまうことがよく経験されるようになりました。

 

胃潰瘍の様相が変わってきました。

 中年層のピロリ菌感染率が年々低くなり、この年代のピロリ菌関連潰瘍は急減しました。
しかし、潰瘍の実際としてはそれほど減っていません。これは代わりに薬剤(消炎鎮痛剤)の連用による潰瘍が増えているからです。
内視鏡でみますと、ピロリ関連と非関連の潰瘍は大体見分けることができます。両者への対処は少し異なります*。そして、頻度は低いのですが、ほかの原因の不明なピロリ陰性潰瘍もみられるようになってきました。

ピロリ関連の潰瘍は、抗潰瘍薬に加えてピロリ菌の除菌療法を行います。もし除菌が成功しますと、抗潰瘍薬を使わなくても潰瘍はほぼ再発しなくなるほどです。しかし、ピロリ非関連の潰瘍は原因の除去(原因薬剤を中止か減量)が欠かせません。このあと通常の抗潰瘍薬で治します。

 

ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌の実際

 内視鏡で慢性胃炎を確かめることを条件に保険診療で除菌治療を行えます。
この一次除菌がうまくゆけば問題がないのですが、1割は失敗します。もし失敗したときは、副作用が少し多い薬を含めての二次除菌を試みることになります。
失敗の原因の多くは、薬剤(クラリス)への耐性菌の増加によるものです。しかし、不適切な飲みかたで失敗する人もみうけられます。適切な飲みかたとは、除菌の際に胃の中で薬の抗菌力が充分発揮される状況を作ることです。とくに食事と内服のタイミング、また内服時に胃内のPHの中性化がなされていることが大切です。
そこで、当院では除菌薬の飲み方について、時間をかけて説明しております。

■ 近年、子供のピロリ菌が心配という親御さんが多くなりました。しかし、子供の除菌は保険上認められていません。ふつうは、保険適応のある高校生以上で検討します。なお、内視鏡も必要です。

■ 当院でのここ14年間の除菌の成功率は、一次除菌が78%(ここ3年間は89%に上昇)で、二次除菌が95%(ここ3年間は98%に上昇)です。一方、三次・四次除菌(自費)は、他院から流れてきた人が主体で、実施数は少ないのですが80%に低下します。そして判定のために来院しなかった人を別にした約1,400人の除菌実施者の中で、失敗しても数年後に自然に消失した人(単に疑陽性であった?)もあって、最終的にピロリ菌陽性のままは、三次・四次まで失敗した3人のみという結果でした。