内科,消化器科
〒224-0032 神奈川県横浜市都筑区茅ヶ崎中央24-3
太光クリニックビル2F

TEL 045-944-3077

 

トップページ»  診療内容»  症状について

症状について

 

機能的ディスペプシア (FD) について

 胃のあたりに様々な症状がありそれが長く続いているのに、内視鏡でみても何もないことがよくあります。それがFDです。
ストレスが関わって発病しやすく、人口の1〜2割がこの病気に悩んでいるといわれています。
症状として、みぞおちなどに ①不快な食後のもたれ、②食べてすぐに食べられなくなる早期飽満感、③みぞおちの痛み、 ④みぞおちの灼熱感、のうち一つ以上があり、潰瘍や胃炎などがないのに、これらの症状が長く続くものとされています。
 これらの症状は、ストレスが繰り返されると悪化します。また、この病気の人は、胃の運動機能がおかしくなっており、胃の知覚(胃の膨らみ過ぎや、酸・脂肪への知覚)が過敏になっていることがわかっています。
 治療としては、その効果は今ひとつですが、当人の症状に合った薬を試みます。ただ、症状には幅があり、変わり易いのでその都度薬を調節、工夫します。同時にストレスの回避あるいは克服を試みましょう。そして、不規則な食事と生活のリズムを見直します。とくに、早食いや食事の偏りを止めて、夜型の生活を正します。

 

治療が難しい[食道炎のない]胃食道逆流症

 逆流性食道炎といわれたといってみえる人が多くなりました。ところが、内視鏡でみても食道炎が全くみられないことがよくあります。食道の下端にキズがないと食道炎とはいえません。なぜでしょう。おそらくは頑固な胸焼けなどの症状のみから逆流性食道炎[のようなもの]とされたのです。この[のようなもの]が記憶から落ちてしまったのでしょう。
 胸焼けを訴える人で、内視鏡でみても異常がない人は、6~8割に及びます。
しばしば酸逆流量が少なめだったり、制酸剤の効きが今一です。もし、胃食道逆流症に食道運動機能低下* が組み合わさると治療に工夫を要します。そして、なぜか腹痛、消化不良などの症状、さらに抑うつ、不安などを伴う人もいます。このように食道炎がない胸焼けへの対処は簡単ではありません。


別に食道運動機能障害という一群の病気があります。この軽症例では、胃食道逆流症と間違えられて治療されている場合があり、これには制酸剤がほとんど効きません。なお、この一つのタイプの要素が胃食道逆流症に伴うこともあると云われています。

 

「本当の」逆流性食道炎、裂孔ヘルニアなど

 本当の食道炎は、内視鏡でみると食道下端に胃酸に負けて生じたキズが一ヶ所または複数ヶ所にみられます。症状は治療により、キズがない人にくらべてむしろよく抑えられます。しかもキズ自体もよくなります。しかし、キズは薬の中断により再発しやすく、結局は薬を続けることになります。
 ややこしいことに、食道の下端に「円柱上皮化」(バレット上皮化)、さらに胃の入口に「裂孔ヘルニア」というのもあって、これらも胃酸逆流と深く関係します。これらは、「本当の食道炎」とつかず離れずの関係にあります。つまり、三者は単独で存在したり、ときに二者が併存します。もっとも三者の併存は少ないようです。その成り立ちは複雑です。ただ、治療あるいは生活の注意点で幾分の違いがあるとしますと、これらの有無を知ることが大切と考えます。

 

潰瘍性大腸炎は根気よくきめ細かい治療を

 潰瘍性大腸炎の有病率は、生活環境の変化に伴いここ10年で3倍に増加したともいわれており、なぜか20歳代の男性に急増しています。この病気は悪くなったり良くなったりを繰り返し、完治は難しいのですが、適切な治療をおこなうと腸の炎症を抑えた状態にできます(寛解といいます)。
この抑え方が中途半端
*ですと再燃しやすく、長年放置しますと癌の発生**も心配されます。
軽症、中等症(計95%)の人はおもに診療所で、重症(5%)の人は病院での管理がなされているようです。粘血便等の症状が長く続く場合には、早めの受診をお勧めします。

 
*  症状がよく抑えられていても、内視鏡検査では炎症が残っていることもあります。(およそ2割にあり。)炎症が残存している場合は再燃し易いとされていて油断はできません。

** 発病10年後から多くなりますので、病歴の長い人は定期検査を要します。見つけ難い形の癌が多いので、検査をきちんと行わなければなりません。

 

お腹の膨満感について

 学童期から大人まで、お腹の膨満感に悩む人が多くなりました。人口の1〜2割ともいわれています。多くは、腸管の空気(ガス)* が過多になるためにおきる機能性の症状です。これにはいくつかの類型があります。
 ひとつは、便秘と関係する場合であり、子供に多く、生活状況の問題により生じやすく、かつ悪化し易いといえます。次に、機能性胃腸炎(FD)や過敏性大腸(IBS)に伴う場合があり、成人でよくみられます。さらに、FDやIBSの症状を満たさない場合もあり、これを機能性腹部膨満症といいます。ガスの量が一定以上になると、げっぷ**や放屁を伴いやすく、これにより症状が軽減するという特徴があります。膨満感の生じ方やその程度は様々ですが、不快感はその人の内臓知覚の過敏によるところが大きく、ガスの絶対量に左右されるわけではないとされています。なお、内視鏡で腸を見ても、これという異常がみられません。
 治療は、主にガスの排出をよくする薬ですが、あまり有効ではありません。むしろ日常の生活の見直しなどが大切です。当然、便秘や機能性胃腸症、過敏性大腸炎の治療を並行して行います。

*   ガスのたまりは胃よりも腸が主体となります。

**  げっぷが続いてなかなか止まらず、たまる空気が胃あるいは食道内に限られるときは、げっぷ障害といって別の病気として取り扱います。

 

胃アニサキス症は発病初期に「アニサキスそのもの」を除去することが大切です

 生の魚を食べた後に強烈な痛みが起きて苦しむ病気です。1年中発生し、胃と腸の双方に感染し、その比率は2:1と推定されています。しかし実際には腸の場合は診断され難く、それと判らずに治療されていることが多いようです。
胃アニサキス症の場合、急性型は数日で虫が弱って脱落すると症状が改善します。しかし、虫が生きている間は局所のアレルギー反応から耐え難い胃痛が起きて、通常の胃薬や痛み止めは全く効きません。そこで発病1〜2日以内に内視鏡を行って、虫そのものをつまんでとってしまいます。すると、速やかに胃の痛みがなくなります。当院ではこれを随時行っています。